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晄センター長の相談風景写真

【センター長ブログ】対面コミュニケーションのもつ価値をあらためて見直す

 業種を問わず1日何件もの相談対応をしていると、別々の事業者さんの話の中に登場する要素を掛け合わせた新たな発見に気づかされることがあります。

 先日は、ある相談者の方がコロナ感染により10日間にわたって独りで自宅待機をしたという経験談を伺いました。食事は自宅で調理し、必要なものは近所の親戚がそっとドアノブに掛けておいてくれるため、コンビニ店員との会話すらない状況です。身体は元気なので、ベランダで育てている野菜一つ一つに話しかけるように愛でる生活が続いていたそうです。いよいよ自宅待機最終日となる10日目の夜、友人が快気祝いも込めてお寿司を買って届けにきてくれたとのこと。感染リスクに配慮して、お寿司を受け取るためドアをほんの少しだけ開いてみたとき、そこから見えた友人の顔や手、そして聞こえてきた声に、自分でも驚くほどの感動を覚えてじわっと涙があふれ出たそうです。気配りへの感謝はもちろんですが、久しぶりに生身の人間と対面で接したという、その日常の当たり前の体験に心を動かされたと言います。

 その日の午前中には、そうした内食用のフードを作って配達している事業者さんとの相談があり、一人暮らしの高齢者の常連客さんの話になりました。そのお客さんはほぼ毎日、配達料金下限ギリギリのサイドメニューを注文されます。代金は配達時に商品との引き換えで現金支払を選択されるのですが、なかなかお金を渡して下さらないとのこと。べつに支払いをケチっているのではなく、その間にいろいろと話しかけてくるというのです。そして、今までに配達に来てくれた方の名前や顔もしっかりと覚えていらっしゃる。配達員の方々も、このお宅に伺う時はしばらく話に付き合うことを覚悟して、気長に丁寧に対応されているそうです。この場合、お客様が期待し満足して対価を支払っている真の価値は商品そのものよりも、配達員との対話による生きたコミュニケーションなのでしょう。

 この前週には、メタバースやオンラインサロンなど、ネット上のヴァーチャルなコミュニティに関わるキーワードが相談中に頻発しましたが、そうした便利で場所に縛られないデジタルなコミュニケーションが日進月歩の進化を遂げる一方、削ぎ落されてしまった対面のコミュニケーションに深く価値を感じる人たちも必ず存在し続けるということにあらためて気づかされました。

 社会への貢献も含めて考えてみたとき、こんなところにも商機があるのかもしれません。

※写真は過去に撮影した相談イメージです。撮影時のみマスクを外しています。